30代からの安西慎太郎のススメ

…〇モホルンリンクルみたいなタイトルである。


(る年の『ド〇ホルンリンクルのショートド〇ホルン』を思い出しますね)

 

私は30代前半です。安西くんのファンになったのも30になってから。

いや、何にハマるにしても別に年齢なんて関係ないんですよ。いいものに年齢制限なんてないし。

でも、あえて『30代で楽しむ役者安西慎太郎はいいぞ』っていうプレゼンです。

現在10代・20代のファンの方を見下したい話とかでは全くないので、念のため。

 

1・現場の年齢層が落ち着く

いきなりアレですが大事 これすごく大事

 

現在、一言で舞台の若手俳優と言っても10代~私と同世代の方までいらっしゃいますが、やはりファン層のメインは10代から20代中盤の女性。

若い。もうみんなほんと若いしカワイイ。

特に私のように、テニミュ出演の時点で30代だった人からすると、2.5次元舞台などの客層はやっぱりなんだかちょっと気後れするんですね…(笑)。元々好きなジャンルの層が年上ばっかりだったからというのもあるんでしょうが。

 

しかし安西くんですが。

テニミュ後すぐの仕事が年末明治座→その後レギュラーメンバーの一員に

(レギュラー俳優の多くがアラサーでほぼ同世代なので、使用楽曲の世代感はもちろん彼らの小ネタ・作り出す空気感に共感共鳴するのですごく落ち着く。)

 

・出演者・客層の世代の幅広い作品に多く出演

(る・ひまわり作品もそうですが、シスカンパニーの『アルカディア』『ロズギル』、CATの『幽霊』なんかもそうですね。

共演者の世代+ファン年齢層が全体的に上だったので、気後れがなくてありがたかったです。男性客が一定数いるのも嬉しい。)

 

小さな事かもしれませんが、年上ばかりの場所に年下が臨むよりも、逆のほうが結構気を遣うんです。「すまん…私のようなおばさんがすまん…」って思う(笑)。

もちろん、キャスト・客席が若さに溢れた作品に出る彼も大好きです。

 

2.好きな音楽に尾崎豊スピッツを挙げる

もちろん同年代の人が聴くような楽曲も好きだったはずですが、93年生まれの男子から発されるアーティスト名ではないですよ本当に。びびりました。

私の年代だとスピッツはもうドンピシャ世代、尾崎はお兄さんお姉さんがいる子が背伸びして聞いてたような、ちょっとだけ上の世代に支持された歌手です。私はどっちも大好き。

 

もうね、落ち着く。こういうとこほんと落ち着く(太字)。

 

上のお姉さんが少し年が離れていると言っていたので、その影響なんでしょうかね。

 

ちなみに1度だけ出た事務所のファンイベントで、DEENの『このまま君だけを奪い去りたい』を歌ったと伝え聞いたのですが、これは今でも、何故私は「イベントだからいいや~」と仕事の調整をしなかったのかと狂おしく狂おしく後悔している案件です。

もう安西くんの声でDEENなんて絶対イイに決まってんじゃんそんなのーーーーー!!!!こちとら小学生の頃からすごく好きな曲だったんだぞ!!!!!(号泣)

 

個人的に去年は、る年でアムロちゃんの『Chase the Chance』で踊る彼を観てしまったので、よもや小学生からカラオケで何億回歌ったかわからないこの曲と推しがリンクする日が来るとは…と感動がすごかったです。

こんな感じで、何かと90年代j-popを経てきたファンに優しいのもおすすめポイントです。

 

3.年齢や経験を経るほど、彼の芝居は旨味を増す

これが一番のおすすめポイントです。

 

以前こちらの記事で、彼の芝居は人間臭さが魅力だという事を書きました。

yoshida-htn.hatenablog.com

役の持つ優しさや純粋さ、それに連なる愚かしさや不器用さ。そういう人間の多面性を、何ともいとおしく表現できる役者さんです。

 

これは以前『スーツの男たち』を一緒に観劇した同い年の連れに言われたのですが、「(安西くんは)役の持つ人生経験をちゃんと芝居で表現できている。本人の年齢ではきっとマックスの苦しみ悩みは全部理解できていないかもしれないが、それでも私たちにマックスに『共感』させる芝居をしている」と。

 

『スーツの男たち』はもう本当にマックスに共感しかなくて、彼にとって仕事とは単なる金稼ぎや上等なスーツを着るための手段ではなくイコール自分の生きざま

なので、ひとりの人間として豊かで穏やかに生きるためにこの仕事を抜けたい。何が嫌なんだ?この『全部』だよ。……もうこの、マックスの苦悩にわかるわかると言い続けました。「そう~!私たちも湯沸かし器が故障した心配とかしたいだけなの~!!」と(笑)。

ちなみにこのお仲間はこれがきっかけとなって転職しました。マックスの苦悩への共感で、自分の職場でもやもやしていた思いがクリアになったそうです。

 

『幽霊』のオスヴァルの、誰もがどこかに持っている弱さや愚かしさ、『幸福な職場』の大森専務の立場ゆえの苦悩。

『喜びの歌』のイケダや『男水!』の礼央が持つ、青く鋭く尖った感情に対する痛みを孕んだ懐かしさ。『ロスモワ』の伏見、『もののふ白き虎』の貞吉のように置いて行かれた子たちのその先。エトセトラエトセトラ。

もちろん若い方が観ても伝わるものが沢山あると思いますが、それなりに長く生きてみると役への共感度・理解度はさらに上がります。彼の芝居の『旨味』がめちゃくちゃ増します。逆に言うと、彼はそういう『旨味』を想像させてしまうお芝居をする人です。

もちろんそういう面白い役や作品に多く出ていることも幸運です。私でさえ、また何年か経ってから観ると見方が変わって絶対面白いだろうなって作品がいくつかあります。

 

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アラサー、30代以上の皆さま。役者・安西慎太郎は本当に面白いです。

そして10代20代の皆さま。既に彼のファンの方も、これからもっともっと彼の芝居が面白くなりますよ。

 

そして最後に。

安西くんのお芝居や芝居に対する姿勢、彼が投げてくれる真摯な言葉は、日々を生きる励ましをくれる『お守り』みたいになります。彼がよく理想に掲げていた、『安西慎太郎の芝居を見たら頑張れる』は本当に嘘じゃないです。

 

これだけ言って現在おすすめできる次の仕事が何も決まっていないのがはがゆいのですが、興味を持っていただけましたら過去作をぜひ…。何観ていいかわからなかったらご連絡ください(笑)。