満点の星空の夜の青、座長幟と快晴の青~2月だけど『麒麟にの・る』を振り返・る

 

<ひりひりした。私は私だ。アイアムミー。肯定を。>

脚本のムックさんのこのツイート、観劇後に読むと私もヒリつくものがありました。

 

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31日の千穐楽は特に快晴で、青いお空に2つの青い幟が鮮やかに映えてすごく美しかったです。

 

またこうして、安西くんの幟が観られるなんて。嬉しかったです。

今回は平野良さんとのW座長。最初の稽古から例年になくばバチバチに芝居モードしてたと聞き、こりゃあ楽しみだぞと期待しておりました。

 

年末明治座。私は14年のる典~18年のる戦までしか観られていないのですが、シンプルに作品としては一番好きでした。

ぐわっと泣ける感じじゃないんですけど、しみじみと涙が出るようなお話でした。童話みたいだなって印象が最後に残ったの、多分私だけじゃないはず。

 

というか、原田優一さんの演出がすごく好みなのかもしれないです。明治座の機構をめいいっぱい使いながらも、全体的に華やかなのに上品で。

あとは映像の使い方が効果的で好きです。安土城が天に向かって伸びていく演出は面白かったし、何よりラストに舞台いっぱいに広げたスクリーンで見せる星空、あれすごく素敵だった。

ラストシーンが一番美しい舞台ってホントに好きです。『アルカディア』の2つのワルツシーンとか今でも忘れられません。

 

今回に関しては、もう平野くんのお兄ちゃんがとにかく良かった…。

平野くんのお芝居の包容力、あれがすごく作品全体の大きな幹になっていて、前半の飄々と生きて逃げ回ってる明智光秀と後半の優しくてお人好しなお兄ちゃんを破綻なく、説得力を持って繋げていたと思います。だから余計に信行の弟感が出たんだよなあとも。

あと、加藤啓さんの奔放なアドリブをよくまああれだけコントロールしてたなと(笑)。啓さんも彼のそういうとこわかっててあれだけやってたんでしょうけどね。

 

さて、安西くんですが、前回のる年と比べて明らかに座長としての余裕が感じられた事が嬉しかったです。

る年は役柄もあるとは思いつつ、明らかに全力投球感が強くて余裕なさそうだなあ、だばだばしてるなあと時々笑っちゃう事があったのですが(それでもキメるシーンの決め方はさすがでした)、今回は以前より『真ん中が似合う』ようになっていたなと思います。

織田信長としての彼、民を屈服させる『支配者の声色』と、得意の甲高い高笑いに不安定な音階をつけて『不穏さ・歪さ』を表現していたのがすごく良かったです。

『嫌われる役』を目指していたと言っていたけど、織田信長としての強さや非情さを表現する以上に、その裏の信行としての孤独、寂しさ、『織田信長』という名前=理想の存在に縋ってさらけ出される哀れさが強く滲み出ていたのは安西くんらしい役づくりだったなって思います。星を見るのが好きだった弟としての幼さを心に持ったままなのがところどころに感じられた所とか。

 

私の好きなシーンは1幕終わりの「俺が『織田信長』だ!!」と咆えるシーンと、2幕で捕らえられたきりんを殴りつけるシーンです。

特に後者、秀吉たちから見たら『人が離れてもなお状況の悪さに目を塞ぎ、代わりに見えない神獣をここにいると妄言を言い、従わせようと殴りつけている気の触れた信長さま』に見えるわけじゃないですか。なんて愚かで哀れなんだろうかと。

俺が『織田信長』だと言えば言うほど、彼の存在がはりぼてのようになっていくのがわかって…その分お兄ちゃんの「俺は俺だ」が輝いていくんですよね、すごい巧いお話。

 

あんまりこういう事言っちゃよくないのかもだけど、正直今回に関しては、平野座長に並び立っていたとはまだまだ言えないかな、と思います。

辻本くんは(る年のメインビジュアルのように)安西くんと二人三脚で走ってくれた座長だったと思っているのですが、今回は平野くんが芝居でガチンコでやり合ってくれた感じがあって、うわ-安西くんが並ぶにはもっと経験値が必要だ~!って感じながら観ていました。

 

前にる年の記事でも書きましたけど、私はるひまさんで観る安西くんはこういう所がむしろ好きです。ああ安西くんもまだまだなんだな、でももっと伸びるんだろうなって思わせてくれる所。

なんてプレッシャーの凄い座組で座長させるんだって驚いた『僕のリヴァ・る』以来の何かを感じます。るひまさん、一見安西くんに甘いけど芝居については結構試練を与えるよね…。本人は大変だと思うけど、ファンとしてはるひまさんのそういう所を信頼してます。

(現にリヴァ・るの時なんてなんだかわからない大号泣を毎回していた←怖いよ)

 

他のキャストさんのお話も。

みねくんの秀吉。みねくんの本来のハンサムさ、大きな愛の器を抱えた男前さが、めちゃくちゃ良く出た秀吉でした…。いやホント、みねくんはこれが本来の持ち味なんですよ…。もともと仮面ライダーWの照井竜が心底大好きだった私にとっては…(でもおクスリの切れたみねくんも大好き(ハアト))。

信長に対する、迷いのない真っすぐすぎる眼差しがたまらなく素敵でした。あと、刀を構えた時の背筋がすごく綺麗で凛としてるんだなって今回初めて気付きました。みねくんの柔らかで芯のある佇まい、声色は今回も格別。今度は座長を張ってもらいたいです。

 

小早川くんの勝家。私は普段やかわさんと呼んでいますが、『白痴』で拝見して以来、文学的な色香と品の良さを持つ役者さんで好きです。

年上の女性を慕わせたら、今現在るひまで一番ときめかせてくれる人です。あの誠実な佇まい、「そなたを守る刀になりましょう」って台詞が似合いすぎる。

うららうららの時のダンスの異常なキレ(同じくキレと表情筋の圧が強い松田岳くんと並ぶとたいへん濃かったw)、殺陣のときの低く腰を落とした構え方のカッコよさ、魅せてくれる人だなあ。

 

神永くんの左馬之助。ようやくるひまでお逢いできましたね!

男水!のダニエルで見せてくれたコミカルなお芝居がすごく好きでした。華やかだしとにかく声がいいから、こういうキャラの強さが求められる座組でもまったく埋もれないなって思います。また出てほしいな。

今回すっかり女優さんだった美しいかっちとのオシドリ夫婦感、すごくチャーミングだった。

 

他にも指先がたいへん妖しくてけしからんかった辻本くんの正親町天皇とか、個人的に大ファンなので安西くんと夫婦やって下さり大感激だった鬼奴さんの帰蝶さまとか(生でバービーボーイズ見られて興奮した)、イケメンすぎて好きしか出ない谷戸さんのみっちゃn…もとい三成とか、全員挙げたらキリがないです。

今回は上映会に行けないので、下にリンク貼ったゲネプロ映像観ながらDVDを待ちます。


www.youtube.com

ゲネプロ動画はお歌中心なのですが、うららうららと飛んでくる信長さまと皆大好きパンの歌が聴けます。

 

で、本来なら2部の話もいっぱいしたいんですけど、31日のあの狂気のカウントダウン公演で全部ぶっとんでしまったのでマトモなレポが書けません(笑)。

ただどうしても言いたいのは、いろは坂48カーブのだちちゃんが明治座メイクでおめめバチバチの超絶美少女ちゃんだった事。

そしてほとんどのメンバーがぶっ壊れていく中、なんとか7割ぐらいは自分のキャラを守ろうと自分の暴走を抑えてくれた事。

これはね、絶対に『派』を経たからだと思うんです…。ちゃんとグループの中でバランスをとろうとしてたんだと思います。今までだったら絶対一緒におちゃらけ始めちゃう空気でしたもん…すっごい成長です…(涙)。

 

あとは、吉法師さまのピンヒールでのけだるいダンスありがとうございました。ありがとうございました。本当にありがとうございました。

る・ひまわり様は私のよこしまな煩悩  願いをすべて叶えてくださいます。拝む。

 

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座長弁当。すっごく美味しかった。

色どりがこんなにきれい(前回の座長御膳(※通称肉御膳)を思い出しながら)

 

 

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31日の千穐楽が快晴だったのはこの人のせいだよね。

なんか、明治座のあちこちで滝口くんの気配を感じて、最後も全員でめちゃくちゃ笑って終わって、お前ほんとそういうとこ。そういうとこが皆大好きなんだよって思いました。

大山の真志くんの長政はとっても素朴で一途で大好きだったけど、やっぱり彼がどんな顔で声色でお市をいとおしむのかも見たかった。

 

私とほとんど同い年みたいな年齢のたっきー。

破天荒のふりをしながら気遣いばっかりしてて、年下や後輩が埋もれないよう、ちゃんと前に出させる事ばっかりしてるたっきー。

あんまり表立って言ってこなかったけど、『辻る』で歌ってくれたブルーハーツの『人にやさしく』があまりに彼らしすぎて、嬉しくて泣けちゃったぐらい大好きです。

最後まで素敵な年末をありがとうね。

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安西くん、昨日はカプティウス千穐楽お疲れさまでした。

そんな時期に今さらってかんじなんですけど、諸事情で書きかけになってたブログだったので、今日やっと最後まで書けました。

今月末に上映会もありますからね。今のうちに。

この時の年末はほんとにずっと楽しくて、終わるのが本当に悲しかったぐらい幸せだったなあ。やっぱり推しくんがいる年末は格別です。